「手と足が連動しない」「速く走れない」という方へ
こんにちは。
アスレティックトレーナーの渡邉弘貴です。
先日、Conditioning BRIDGEにて「走りにおける腕振り」についてのセミナーが開催されました。
腕振りを解剖し、トレーニングを実践する中で、「腕振り」を変えるだけでストライドを上すことができました。
一見簡単な腕振りに思えますが、力強く、大きく、リズミカルに腕振りができる選手は少ないように感じます。
「走り方がカッコ悪い」と言われてしまう方は、腕振りで大きく変化すると思います。
速く走るために、腕振りは下半身と同じくらい必要不可欠な要素です。
速く走るために、下半身のトレーニングはよく出回っていますが、上半身のトレーニングはなかなか見当たりません。
指導現場でも、あまり深くまで教えてもらえないという現状もあります。
今回は、速く走るための腕振りの基本と練習方法をお伝えしたいと思います。
腕振りの基本
腕振りをする上で、大切なことは3つです。
- 肩甲骨から大きく振る
- アクセントをつけて力強く
- リズム良く
というこの3点を達成できるように意識すると、腕振りが大幅に改善してきます。
3つだけしかありませんが、3つとも完璧にできるということは至難の業です。
今回は、「肩甲骨から大きく振る」ということを意識してやっていきます。
腕の振り幅
後ろから前に振り出した手は、
指先が顔の高さに来るように意識しましょう。
上の写真は、桐生祥秀選手になります。
前に振り出した手が目の高さまできているのが分かるとおもいます。
速く大きく振ることで、足の回転をスムーズに行うことができ
速く走ることにつながってきます。
前から後ろに降り出した手は、
指先が地面を向くように勢いよく振るように意識してみましょう。
上の写真は、ウサインボルト選手です。
後ろに降り出した手の指が地面の方向を向いているのが分かります。
これだけ、大きく腕が振れているとカッコよく力強さを感じますね。
足の速い選手で走り方がカッコ悪い選手なんていないですよね。
そういった意味では、
かっこいい走り方を身につけることは速い走り方に近づくことになるかもしれませんね。
腕振りトレーニングによる実際の変化
実際に、腕振りのトレーニングをすることによってストライドを伸ばすことができました。
足の速さは、「接地の短さ(ピッチ)」と「一歩の大きさ(ストライド)」になりますので、
スタートからストライドが出せるということは、速く走ることができているということになります。
スタートから一歩目の体の前傾角度と股関節の角度を計測しています。
写真の上半分がトレーニング後になり、下半分がトレーニング前になります。
前傾角度は、56.6度から53.2度に変化し前方へのエネルギーが高まっている状態です。
股関節も121.8度から132.8度にかわり、ストライドが伸びていることがわかります。
ポイントは、
腕の引き具合がトレーニング後が大きくなっていることに加え、肘が伸びすぎず触れているところです。
腕を早く振るためにはとても必要な要素です。
こちらは2歩目の状態になります。
上下で比べて、上の写真(ビフォー)の方が前に進んでいるのがわかります。
※スタートのタイミングは合わせております。
一例ですが、
腕振りを改善することでストライドが伸び、速く走ることを実現することができます。
腕振りの練習方法
まずはその場で、腕を振ることを練習してみましょう。
ここでも意識することは同じです。
- 肩甲骨から大きく振る
- アクセントをつけて力強く
- リズム良く
腕の振り幅も、
振り上げた手は、顔の高さまで
後ろに振った手は、指先が地面を向くまで
を意識してやってみましょう。
慣れてきたら、足を前後に開いて走る状態に近づけて練習してみるのもいいと思います。
腕の振り幅が小さくなるということがおきやすいですので、
動画で自分の動きを撮影して確認してみると修正しやすいですね。
練習の風景を載せておきます。
ぜひ、挑戦してみてください。
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渡邉弘貴
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